上京し、初めての一人暮らしは阿佐ヶ谷という街でした。
駅から徒歩15分。
高校を通り抜け暗い神社の裏にある小さなコーポでした。
ベットとキーボードを置いたらキュウキュウの小さな部屋でしたが、事務所が用意して下さったと言う嬉しい思いと夢しかなく、今でも通るとワクワクするコーポです。
実家には無かった憧れの出窓が嬉しく花なんて飾っちゃったりして、インテリアは白とクリスタルで統一していたっけ。女の子らしい部屋でした。←今はヨーロッパに住む未亡人のお婆さんの部屋を目指しています。
そこに4年間住んだ後、新中野という場所に引っ越す事になったのです。
同じく事務所の方が、周囲が明るい場所に引っ越しなさいと選んで下さいました。
引っ越しの日、部屋に入るとゾワワ〜と寒いのです。暑い季節だったのですが。
まぁ気にせず荷ほどきをしていたら足先からブワ〜っと鳥肌。
ここアカン気がする!
でも事務所が用意して下さった家、そんな事言えない。
そこから1カ月、毎日金縛りです。
上からグーーーっと首を絞められるのです。
寝ている時だけではありません、起きてキーボードを弾いていても『来る!』と言う感覚と共に全身鳥肌起きながら金縛りのようになるのです。
あまりの恐怖に毎晩電気とテレビをつけっぱなしで寝ていました。
そんなある日、深夜目覚めたら『霊を撃退するには』と言うコーナーがやっていたのです。
普段なら絶対にチャンネルを変えますが、その時は真剣に。
『怖じけず大声で叫んで下さい。』と
よし!!!と起き上がり構えたものの生まれてこの方叫んだ事等ありません。一体何を叫ぶの?!
ええい!どうにでもなれぃ!我を忘れ叫びました。
『ナンダコノヤローー!!』猪木?
私から出た言葉です。
人生初シャウトは一人の部屋で独身女が深夜『ナンダコノヤロー』ヤバすぎます。
しかしその日から嘘のように金縛りがなくなったのです。。。
あの日々は一体何だったのでしょうか?
怖い思いが何かを創り出していたのでしょうか?
ま、生きてる人間が一番怖いですけどね。