母の着付け教室の練習マネキンになってきました。
突っ立ってるだけなのに、記憶が行ったり来たりするもんだから不意に涙が溢れそうになります。
幼少期からずっと、子供が全て、家族が全て、全身全霊で家族を愛し、家を守り、私達きょうだいを育ててくれました。
幼少期は金銭的にも苦しくて、お菓子やおもちゃをねだりたいと思った事もありませんでした。
母が自分の物を買うなんて見た事が無かった。
父の転勤先で通う保育園は水泳の授業があると知り、水着を買いに行くも高くて一着の水着の前で何往復もしていました。
そんな母を見て、いつも私は何とか母に母の欲しい物を買ってもらおうとばかりしていたように思います。
そんなある日、私の小学校卒業式に着る服が無いと一緒にデパートに出かけた事がありました。
私は母が自分の物を買うのが嬉しくて嬉しくて店員さんより頑張って商品を薦めていた記憶があります(^^)
迷いに迷った末、茶色のスーツを買った母。
そのスーツを、卒業式、入学式、次の卒業式、また次の入学式、また次の卒業式、、大切な日にいつも着て駆け付けてくれました。
どんな苦しい時代も母は『楽しかった!』と言います。
時は経ち、父は社長として私達家族に変わらぬ幸せと、そして定年の歳を超えてもバリバリ現役で働くかっこいい姿を見せ続けてくれています。
旅行に行ったり、習い事をしたり、お洒落を楽しんだり、、そんな姿を見ているともう全てに感謝が溢れ過ぎて何処でも涙が出るから困ります。
歳取ると心も涙腺も緩みっぱなしです。
話は長くなりましたが、今日は鏡越し、母の小さな背中を見ながら本当に幸せな一日でした。